作家の百田尚樹が、自身の運営するユーチューブチャンネル、百田尚樹チャンネルで「お金を配ります」という詐欺ツイートに群がる人たちについて語った。百田は、このようなツイートに騙されて個人情報を漏らしたり、金銭をだまし取られたりする人たちを「馬鹿とあほのオンパレード」と呼び、日本人の質の劣化を嘆いた!
百田尚樹とは
主に関西地区を拠点に活動し、テレビ朝日系バラエティの構成を手がけてきた。2006年に『永遠の0』で小説家デビュー。同作は後に、映画化、漫画化もされ、小説の発行部数は500万部を突破した。2013年、『海賊と呼ばれた男』で本屋大賞を受賞し、2016年には映画化もされた。またYouTuberとしても活躍中であり、今年の3月のユーチューブの収入は1200万円を超えている。
160億円の貯金額を公開?ツイッターでお金を配るというのは本当なのか?
百田は動画で、フォロワーが1万5000人いる投稿者の「お金を配ります」というツイートを紹介した。その内容は、「緊急企画!信用してもらうために貯金額を公開します。要望が多いのでおひとり30万程度なら全員に支払います。時間がないのでいいねを押すだけで振り込みます。」「10万円配ります!受け取る条件はいいねだけ!」というもので、投稿に添えられた銀行口座の画像は160億円以上の残高があることを示していた。
いかにも怪げな詐欺に飛びつく人たちの悲惨なリプライ
百田は、このような投稿にリプライしている人の様子を語った。「現金希望で!お願いします!」 「まだもらってません!泣」 「生活費に充てたいです!よろしくおねがします!」 「10万円でいいのですぐに現金でほしいです」 このようなリプライが山ほど集まっていた。百田はこの状況を見て、砂糖に群がるアリに例えた。
詐欺に騙される人たちの心理!前澤氏のお金配りが作った錯覚
百田は当初これを悪ふざけだと考えていたが、その実態は全く違うものであった。事の発端はファッション通販ZOZOTOWNの元社長である前澤友作氏が始めたお金配りだ。このお金配りは実際に行われた。その時にもお金を欲しいと懇願する人がたくさん群がった。百田自身そこに群がる人の勢いをみて、「仮に前澤さんが自分の足の裏をなめたら10万円上げると言ったら本当になめる人が沢山いそうな勢いだった」と語った。過去に前澤のお金配りのような前例があった為、『ビットコインで儲けてしまった』『投資で儲けてしまった』『お金の使い道がないから配ります』という詐欺師が語るお金を配る理由を信用し、「世の中には一定数、大金持ちはお金を配ることがある」と思い込んでいる人がいると考察した。ちなみに前澤社長のお金配りには筆者も応募したが、見事に撃沈した。
詐欺にあった人は不幸なのか?百田が語る1万円の授業料
百田はこのような投稿を信じた人の後日談を追ってみると、詐欺にあった人もいるようだと報告した。お金配りに当選したため50万円を振り込みたいから手数料として一万円かかると言われそのままだまし取られたりといった手口だという。百田はお金をだまし取られた人に対して、「1万円の授業料で自分が馬鹿だと気付けたことはとてもラッキーなことだ」と語った。
詐欺師の真の目的!個人情報が飯のタネになる
しかし一番の問題は個人情報を取られることであると百田は警告した。巷ではオレオレ詐欺が流行ってしばらくたつが、このような詐欺師にとって一番重要なのは詐欺にかかりやすい人の名簿である。お金配りツイートを信用して群がり簡単に個人情報や年収、貯金額までも簡単に教えてしまう人は詐欺師にとっては格好のカモになるのである。
詐欺か好機か!百田が説く虎穴と君子の教え
百田はここで古事を持ち出し、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という言葉を引用した。これは大きなリスクを取らなければ大きなリターンが得られないという意味で現実の世の中にもそのような状況は存在するということだが、「ツイートにいいねを押すだけで数十万円をもらえる」というのは明らかに乗ってはいけない話だということだ。「ここは君子危うきに近寄らず」の姿勢で行く必要性があると述べた。
憂国の志士、百田。日本人の質が劣化したと嘆く!
百田はこのような状況を見て、「日本人の質が劣化した」と嘆き、「こんな馬鹿どもばかりでは国家存亡どころではありません」と結んだ。
百田の歴史観!日本人の誇りを小説にした作家としての思い
先にも述べたが、百田は作家として『永遠の0』『日本国紀』などのベストセラーを出版しており、日本の歴史や文化に誇りある歴史観を持つ。そんな百田からみて働かずしてお金を手に入れようとし、なけなしのお金さえだまし取られる日本人が少なからずいることに彼は悲哀をあらわにした。
憂国の志士、百田。日本人の質が劣化したと嘆く!
百田は作家として『永遠の0』『日本国紀』などのベストセラーを出版しており、日本の歴史や文化に誇りある歴史観を持つ。そんな百田からみて働かずしてお金を手に入れようとし、なけなしのお金さえだまし取られる日本人が少なからずいることに悲哀をあらわにした。
近代日本史に魅せられた作家・百田の作品世界
百田は、明治維新から終戦までの日本の歴史に特に強いこだわりを持つ作家である。日本は明治維新から西洋の文明を取り入れて急速に近代化し、アジアで初めて列強に対抗する国となった。百田の作品ではこの栄光を特に思い入れがあるように書いている。彼の作品は、この時代の日本人の思想や行動、感情をリアルに描き出しており、読者に強い印象を与える。
事件を物語にする百田の解説、報道とは一線を画す魅力
その一方、百田は様々なメディアに出演し社会問題や事件について解説をしている。百田の解説は事実の説明や専門知識の解説に留まらない。作家として得意の心理描写を踏まえ一つの物語として事件を解説する。これにより百田のニュース解説はまるでドラマのように人を引き付けるのだ。世代交代や技術の発展に伴い聞いたこともない事件が頻発する昨今、報道や専門家の解説では聞けない、百田の考える物語に今後も注目だ。
画像出典:「悲しいライブ「Twitterで『お金、配ります』とツイートする人物に群がる人たち。頭、大丈夫か」」サムネイルより
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